はじめてのパソコンづくり、予算7万のすべらかゲーミングPC

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動機

すこし前より YouTube にてゲーム実況なる活動をはじめた。読んで字のごとくゲームを実況する活動である。主として PC ゲームの実況を行うものであるが、その際、プレイするゲームと同時に Bandicam(画面および音声収録用のソフト)を起動することとなり、以前 Web 制作の実機検証機として迎えたスペック度外視のふるき Thinkpad X250 ではどうにも満足いかなくなった。

実況しながらでも快適にゲームがしたい。いずれライブ配信というやつもしてみたいとかんがえているものだが、そうなるといよいよスペックが足らない。ドスパラなぞで既製品のゲーミング PC の中古をあさってみたが、どうにも予算と釣り合わないし、へたなものを買うとオーバースペックとなってしまうようにおもえる。どうしようか、どうしようかとウンウン唸ること数週間、悩むことにくたびれた私は悩むことをやめた。

いっそ自作すればよろしい。

要件

主として Steam で配信されている FPS、TPS 系ゲームや Minecraft などを収録しながらに快適とあそびたい。具体的にはフレームレートの 30fps 前後は常時保てるようになりたい。(X250 ではおおよそのゲームで 10fps 前後のなかどうにかこうにかプレイしていた。)そうしてあわよくば FF14 のような要求スペック高めのゲームや高負荷のウォーキングシュミレーション系なぞも動かせるとなお良いが、これはあわよくばでかまわない。

プレイするゲーム参考:

  • 『Minecraft』
  • 『The First Tree』
  • 『MEADOW』
  • 『Mýrdalssandur, Iceland』
  • 『FINAL FANTASY XIV』

構成

総計

¥65,296

スペック

  • Intel Core i5 9400F
  • NVIDIA GeForce GT1030
  • Memory 16GB

ベンチマークサンプル

パーツリスト

※手元に使い回せる HDD あるいは SSD がない場合、別途購入が必要。追加予算 1 万弱。 ※既存の Windows10 ライセンスがない場合、別途購入が必要。後述。追加予算 2 万〜3 万。

Windows10 ライセンス

今回、X250 の Windows10 ライセンスを再認証したのでライセンス費用が発生しなかったが、ライセンスの購入が発生する場合、Home 版なら 2 万弱、Pro 版なら 3 万弱ほど追加予算を見込む必要がある。Home と Pro の差異はビジネス向けにいくつか機能が追加されていることにあり、それらは家庭のゲーミング用途にはほとんど不要であるため、ビジネス用途も兼ねるなどでなければ Home で十分とおもわれる。

購入手段はいくつかあるようだが、公式サイトから購入するのがもっとも安全かつてっとりばやい。Amazon でも見当たるがパッケージがさまざまあり検討がめんどうにおもわれた。コストダウンのためにメルカリやヤフオクで入手するという手法もあるようだが、それらはえてして安全とトレードオフである。

結果

快適。さいこうに快適。とんでもなく快適。しあわせなせかい。The World is hapiness.

Bandicam を起動している状態で Minecraft や Steam のゲームはゆうに 60fps をだし、FF14 もデスクトップ高品質設定+Bandicam をもってして 30fps。すばらしい。ウォーキングシュミレーション類も負荷なくうごき、じゅうぶんに景色を愉しむことができる。すばらしい。すばらしい。この世はとてつもなくすばらしい。

グラフィックボードおよび CPU 選定

初手はひとまずスペックの高いものを検討。Core i7 系と GTX1600 系。しかしコストの高さおよびオーバースペック疑惑もあり、必要十分のスペックをさぐることに。そもそもグラボと CPU の組み合わせの善し悪しというのはどのようなものであるのかを調査。

ゲームにはとかくグラボが重要だが、グラボと CPU の組み合わせもなかなか重要であるらしい。高スペックすぎる CPU に低スペックすぎるグラボを組み合わせたり、その逆などをするよりも、どちらもすこし低めのスペックで揃えてやったほうがちぐはぐなスペックよりも良い結果が出るものだという。

CPU は Intel のうち i3、i5、i7 いずれにするにせよ世代がだいじで、第 8 世代および第 9 世代つまり 8000 番台か 9000 番台がよい。CPU もそうだがグラボも上をみればキリがない。『おすすめなグラフィックボード 7 選:自作歴 20 台以上の筆者が解説』を参考に GT1030 でも必要十分なのではと狙いをさだめる。

グラボが決まり、つぎはそれを基準に CPU を選定。グラボが GT1030 であるなら、CPU は i5 で十分とみえる。世代についてははじめ、ねらいのマザーボードにあわせて i5 8400F を検討していたが、第 9 世代の発売された現在では第 8 世代のほうがかえってコストがかかることから、第 9 世代もいけるらしいというレビューを頼りに 9400F に変更。

CPU、グラボの候補の絞り込みが完了した時点で YouTube で検索をかけ、ベンチマークサンプルをチェック。ベンチマークされているゲームの多くは私のプレイしたいものよりもスペックを要求されるものが多いので、それらで快適に動いているように見えるならば問題ないと仮定。マザボやメモリなどでも振り幅が出ることを踏まえるため、できるだけ多くのサンプルを確認する。

結果、十分に必要要件を満たしていると感じられたため、以下で確定。

マザーボード選定

メモリが i5 第 9 世代ときまったので、それに対応するマザーボードのなかでコストおよび性能がもっとも好ましいものをさがした。ゲーミング PC をつくるならば Z390 など、あたまが Z ではじまっているもののほうがオーバークロックなどできてよいらしいが、そもそもオーバークロックをやる予定がないし、さらにいえばオーバークロックというものがなにものであるかちっとも理解していないものであるので H 系で十分十全。H390 などではコストが高すぎたため、H370 でゲーミング用のものを選定し、以下に確定。

PC ケース選定

予算に 4 千〜7 千程度の振り幅をゆるして選定。マザーボードが ATX サイズなのでそれに対応するもの、かつゲーミング PC に向いているスタイリッシュなもの。外観は大切。とてもたいせつ。うつくしいはただしい。要件を満たしていればあとはひたすら好みで絞り込む。個人的に、Corsair のケースはどれもデザインが上質でよろしい。いずれ Corsair の 1 万円台に乗り換えたい。ウンウンとなやんで以下に確定。

他選定

CPU クーラー、電源ユニット、メモリの選定は『予算別に、自作 PC の組み立てプランと解説を 10 個まとめたよ』の 5 万円台を参考にした。現在 Amazon ではすでに在庫がないものも多かったため、その場合はコストおよび性能が近似している商品を選定。

実際の組み立てではまった箇所

基本的には各パーツを説明書のとおりに組み上げていけばよい。とくべつむずかしい工具なども必要ない。PC 組み立てというと、ハンダづけなどこむずかしいことが求められるものだと勝手に思い込みイメージしていたが、組み立て家具とさして変わらぬシンプルさであった。

スペーサーの取り外し

スペーサーについては二箇所悩みどころがあった。

ひとつに、多くの記事でスペーサーを取り付けるように書いてあるのだが、手元の PC ケースにはスペーサー用とおもわれるネジがぽろりとひとつしか入っていないし、どうもケース側にすでにいくつか取り付けられているように見えた。「マザーボード スペーサー」と打ち込んで記事をまわっていると、PC ケースによってはすでに取り付けられている場合もあるとのこと。どうやら私の購入したケースはこのパターンだったようだ。この場合、逆に不要な箇所にもついている場合があるから、手持ちのマザーボードのネジ穴と照らし合わせ、不要なスペーサーは取り除いてやる必要がある。

もうひとつはスペーサーの取り外し。六角スペーサーというこのシロモノ、プラスやマイナスのドライバーではにっちもさっちもいかない。事前にラジオペンチがあるとよいと見ていたので一応それは用意していたのだが、どうやらここで出番となるらしい。しかしラジオペンチでと、できないことはないのだがどうにもこうにもやりにくかった。これには専用のネジまわしがあるらしく、次回はそれを用意しておきたい。

バックパネルのツメ

なにぶん普段組み立てというと、家具の組み立てばかりしか経験のない。ツメのようなかたちをみると全自動でひっかけるためのものと理解してしまう。

調べるとすこし曲げておいてやったほうがよいと書いてある記事が多いが、”すこし”の加減が自己補正されてしまい直角に曲げてしまった。そうするといざマザーボードを設置しようとしたとき、ツメがとてつもなく邪魔になり、まったくどのようにもならない。まず I/O パネルとうまくはまらない。ここで三十分以上悪戦苦闘する。しかし付属で用意されているものでうまくいかないわけがない。きっと私がなにかおかしいのだ。

冷や汗を感じながらさらに調べると、そもそもこのツメのようなものはヒューズであり、I/O パネルの金属部に触れていればそれでよい、しかし触れていなければならないのですこし曲げてやるとよい、という一文を見かけた。なるほど、つまりこれは留め具でもなんでもなく電流を通すニュアンスで触れていることだけが要件のあれなのかとようやく思い至り、直角をゆるやかな具合に直してやる。

さらに、ネジにあわせてマザーボードを置こうとするとツメが I/O パネルとぶつかるのだが、そもそもこれは隙間に留め具としていれるのではなく、パネルとふれているのがただしいということなので、つまり押しつけてかまわないということかとようやく気づき、やっとこさバックパネルのとりつけが完了した。よかった。

配線

想像よりはむずかしくなかったが、それなりに手間はかかった。配線の際には各機器の説明書を照らし合わせながら行うことのがよろしい。少なくとも、線のプラスもマイナスもあいまいの初心者であるうちは。

今回はマザーボード、電源ユニット、PC ケースの取扱説明書を三者三様に広げつつ各配線とコネクタを把握しながら作業した。基本的にコネクタのかたちがそれぞれちがっており、また逆指し防止のしごとがコネクタに施してあるので、それぞれの対応さえわかれば配線としてむずかしいことはない。

なにがむずかしかったといえば、マザーボードを PC ケースに設置してからの配線、すなわち PC ケースおよび電源ユニットの配線をマザーボードに繋ぎ込む際のこと、なにぶんすでにマザーボードが PC ケースのなかにあるため手元がたいへん暗くなってしまったことだ。作業内容が繊細だのに手元が見えないという状態はぐんぐん心臓に負荷をかける。

今回は iPhone のライトをどうにかこうにか扱ってことなきを得たが、つぎに配線をいじるときには手元用のいい具合のライトを買っておきたい。

購入前の疑問

ケーブル類は付属しているのか

結果として、必要なケーブル類は各々マザーボードなりケースなりに付属していた。とくに気になっていたのはケースとマザーボードの機能をつなぐ諸々のケーブルおよび電源ユニットとマザーボードをつなぐケーブル類、それからマザーボードとドライブ類(SSD/HDD)とをつなぐ SATA ケーブル類だが、少なくとも今回私が購入したものについては、電源ユニットに関わるケーブルは電源ユニットに、ケースに関わるケーブルはケースに、ドライブ類に関わるケーブルはマザーボードにきちんと付属していた。

買い足しが必要とするならば、SATA ケーブル。今回は SSD ひとつと HDD ひとつの換装で、マザーボードには SATA ケーブルがふたつ付属していたからこと足りたが、今後ドライブを増設する際には SATA ケーブルもあわせて買い足す必要がある。

各種参考リンク

Author: 柾千樫