十四の花売り Song Feb 18, 2021 柾千樫 · 十四の花売り 花をおひとついかがですか 朝もやにしめる冬の 袖を濡らすあまい薫り いとけなくすがるゆびさき 花がひとつ売れたなら 西の市場へといこう 初摘みのくだものをきみに そうしたらきっとよくなって またほほえんでくれるだろう 十四の花売り舞いおどる 狭く薄ぐらい路地裏 煤と煙草の香をまとい しろい胸の十字に祈るのは めざめぬとものやさしい笑顔