せめてもの

折り重ねたゆびの間
つみかさねていく傲慢
「祈るな、神に耳はない」
そうともここは墓場だ

膝をついてこうべを垂れ
唱えられるような御名もなく
ふりつもった灰の雪
かきあつめ吞みくだす

罪があるなら
なにを罰と呼ぶものか
罰をのぞめば
なにを罪と呼ぶものか
罪も罰もなくばなぜに祈りは

折り重ねたゆびの間
つみかさねていく傲慢
されど耳はわが身にあり
さあさいざ火にくべよう